コラム記事
4.232024
マレーシア市場の食品テストマーケティング | 成功させるための大事な4つのポイント解説
日本の人口減そして高齢化に伴い、今後日本でビジネスを拡大することが難しいと考える食品事業者も多いのではないでしょうか。ここ数年、FOODEXや輸出EXPOなど輸出を目指して出展する機会を検討しているという話を聞く機会が増えました。
また海外展開を積極的にサポートする体制を構築する自治体も増えていて、ここマレーシアやシンガポールでは各自治体の名産品を販売するフェアなどが頻繁に開催されています。
そのような市場の状況もあり、「これからの海外市場への参入に向けて、まずは現地で市場調査を兼ねたテストマーケティングを実施したい」とお問い合わせをいただくことが多くなりました。中には「具体的な販路開拓を前提とした、戦略の提案ができるコンサルパートナーを探している」という企業もいらっしゃいます。
今回は、実体験を基にマレーシアでのテストマーケティングを成功に導く大事な4つのポイントをご紹介します。
弊社の実績
- 2020年11月よりマレーシアへ輸出開始
- マレーシア主力ローカル販路で定番導入(最大6SKU)
- シンガポール、ブルネイ、インドネシアで定番採用
ポイント1:マーケットを知る
テストマーケティングを実施する上でまず大事なポイント一つ目は、マーケットを知ることです。マレーシアは人口約3350万人の都市で、人口の約64%がイスラム教徒となるイスラム教国家。そして、商圏としては首都クアラルンプールおよびセランゴール州が日本食のターゲット市場です。
日本食は現地でも非常に人気の料理で多くの日本食レストランが出店。今後もその数は増加していくでしょう。またハラールという切り口はチェーン展開する上で大事な要素となり、マクドナルドやスターバックスなどの外資系チェーンはもちろんのこと、ゼンショーグループのSUKIYA(すき家)もJAKIM(マレーシア政府機関のハラール認証)に対応しています。
人口の約23%を占める中華系は寿司店やラーメン、とんかつ屋などのノンハラール飲食店でのローカルのメイン顧客となるため、中華系マーケットを無視しての商売は成り立ちません。
また約2万5千人とも言われる在住日本人市場もクアラルンプールを中心に存在。中には日本人に特化したビジネスを展開する企業も少なくないですが、食品関連事業はローカルの顧客主体が大前提です。
日本製造の食品はその価格ゆえに現地の高級スーパーがメインの販売網となることが一般的。ローカル販路がその大半を占めますが、日本食中心の品ぞろえで差別化を図る日系小売店も数社存在します。
ポイント2:商流を知る
テストマーケティングを実施する上で重要なポイント二つ目は、「商流」の把握です。この点については、「テストマーケティングを通して定番導入を目指す」前提でお話しましょう。
日本国内の小売店とのビジネスでも同じですが、「商品の販売にたどり着くためには適切な商流が必須」です。各小売店の各カテゴリーではそれぞれの分野に特化した専門問屋が棚の管理を担う場合が多く、特に大手小売店への導入は問屋帳合以外で納品することはありえません。
さらに海外市場ではプレイヤーが寡占化され、定番を目指す前提であればそれら主力の輸入商社を介した導入以外は定番化が難しい状況です。私自身2019年より現地の主力小売店を中心に棚の定点観測を行っていますが、導入されている商材に特に変化はありませんし、棚を管理しているプレイヤーも変わっていません。
このような背景からも、まずは現地市場を理解する場を設けることが成功への近道と確信しています。弊社ではクアラルンプールを中心とした市場視察アテンドを実施していて、希望される方には現地主力商社とのビジネスマッチングおよび定番採用を目指したローカル主力店でのテストマーケティングを実施しています。詳細はこちらを確認ください。
ポイント3:海外仕様対応
食品の輸出において大事なポイント三つ目、それは「海外仕様対応」です。
貿易という手間がかかることもあり、タイミング次第では商品の発注-出荷-輸出-輸入-納品まで約2カ月かかることも少なくありません。日本では賞味期限は短い方が鮮度感があるという見方で受け入れられる印象が強いですが、昨今では日本市場においてもフードロスの問題で賞味期限の延長化や表記の変更(月表示)など、市場の見方も変わりつつある印象を受けます。
海外への輸出に関しては、大手メーカーの人気商材以外は1年の消費期限がほしいということです。また、賞味期限ではなく消費期限としての考え方が海外では一般的という点も海外輸出する上で忘れてはいけない大事なポイントです。
マレーシアについては特に原材料の規制が厳しいということはありませんので、一般的な商品であれば問題なく導入することが可能でしょう。原材料の規制などについてはJETROのHPに記載されていますのでご確認ください。
ポイント4:ハラール対応
そして四つ目のポイント。先述の通り、人口の約64%がイスラム教徒のマレーシアでは「ハラール対応」は非常に重要なポイントです。特に飲食向け卸を目指す場合、ハラール対応なしでは導入は厳しいレベルになると考えて間違いありません。
小売店への導入については日本食コーナーの大半がノンハラール商品ですのでハラールの必要性は業務用卸に比べると低いものの、ハラール認証を取得していれば採用を検討するテーブルに乗る機会が格段に増えますので、事前に検討されることをおすすめします。
ハラール認証=ムスリム市場という考え方ではなく、ハラール認証=ムスリム市場『も』狙うことができる、という幅を広める視点が重要です。
こちらのコラム記事でも詳細を紹介していますので、ご一読ください。
弊社の支援体制
とは言え、現地とコネクションがない日本の企業が単体で動いても簡単に形にすることは難しいのが実情です。自治体主体のテストマーケティングであれば比較的簡単にチャレンジできますが、その後の定番化を目指すとなると現地でサポートできるパートナーの存在は必要不可欠です。
弊社は中小食品メーカーとして現地に売上ゼロで入り込みローカル販路で6SKUの定番化(+シンガポール、ブルネイ、インドネシア)を実現させた経験を活かし、他社にはない「メーカー視点のサービス」を提供しています。
- ローカル主力小売店でのテストマーケティング
- ローカル主力輸入商社帳合による最適なコストと物流網
- 定番導入を目指した定期的な試食販売
メーカーとして大事なことは「定番採用」ではないでしょうか?定番採用を目指した上でのテストマーケティングを提供できる数少ない企業と自負していますので、ぜひ気軽にお問い合わせください。
また、飲食店(ハラール/ノンハラール)での実施も同様のスタンスでサービスを提供しています。
まとめ
今回の記事では、「マレーシア市場の食品テストマーケティング | 成功させるための大事な4つのポイント」について解説しました。
多くの企業がテストマーケティングにチャレンジしていますが、定番採用になったという声を聞く機会は実は多くはありません。せっかく挑戦するのであれば、定番導入を目指すことができる商流の中でテストマーケティングを実施することを強くおすすめします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。