コラム記事

マレーシアの税金 | 法人を対象とした税を日本と比較して検証

個人向けの税の話、特に年末調整関連の情報は在住者のブロガーが毎年情報を発信しているので入手に困ることはないのですが、法人に関する情報となると話は別。

日系企業をターゲットした会社設立サポートの事業を運営する企業もマレーシアに存在するものの絶対数としてはまだまだ少ないのが現実です。日系の大企業などは法人設立から運営まで現地のコネクションやローカル人員を総動員して対応されるので検索して情報を収集する必要はないかもしれません。

しかしながら、スタートアップや中小企業であれば独自ルートで情報を入手しなければなりません。弊社がまさにその例で、JETROや現地の知人を介して紹介されたサポート企業数社を訪問し、会社設立及び運営のパートナーを選びました。会社設立や運営の手順やコストは改めて別の記事でご紹介します。

今回の記事では、マレーシアで起業を検討している方、会社設立の担当者、経営層のポジションで赴任される方に”法人に関する税金”についてお話します。

法人税

2023年現在、マレーシアの法人税は以下の通り。

振込資本金税率
資本金がRM250万未満の企業
・RM15万までの売上15%
・RM15万-RM60万の売上17%
・RM60万以上24%
資本金がRM250万以上の企業24%
出典 Tax rate of company | LHDN Malaysia

日本の普通法人の場合、15-23.2%という法人税率になっています。マレーシアと比較すると法人税に関しては似通った数字かと思います。

法人税申告書の提出期限

マレーシアでの法人税申告期限は決算期から7カ月以内ですが、昨今ではオンライン申請の場合は1ヶ月延長されたため最大で8ヶ月の猶予があります。弊社の場合12月が決算期ですので、2022年分の申告を2023年の8月にオンラインで提出しました。

法人税見込申告の修正

マレーシアでは納税額の見積の提出が義務づけられております。この見積り額は、前年度の見積り額または修正見積り額の85%を下回ってはならないという日本には存在しないルールです。企業は見積り額を毎月15日までに分割納付しなければならず、会計年度の第6月と第9月に納税額の修正が認められています。

また納付額が確定した法人税額を30%以上下回った場合、30%を超える法人税不足額の10%が罰金として課せられるという厳しい一面も。

実はあまり知られていませんが、中小企業(払込資本金RM250万未満)は創業年度から2年間は税額の見積と分割納付を行わなくてもよいというルールがあります。

弊社は3年目を迎えたばかりですので、会計事務所から上記の数字を求められました。

法人口座での資産運用は非課税か?

「資金に余裕があるので法人口座にて株式投資をしたい」と考えられるオーナーの方もいるかもしれません。個人の運用益に関しては、キャピタルゲイン・インカムゲインも非課税の対象ですが、法人が対象となるとどうでしょうか?

残念ながら課税対象になり、その税率は上記の課税チャートに即したものになります。しかしながら、あなたが株主であれば法人から非課税で配当も得ることも可能。給料と配当のバランスを考えながら、個人として資産形成をするというアプリーチも良いのではないかと思います。

節税は可能か?

結論から言うと、「節税は可能」です。私自身、会社設立から事業運営を日々継続し、決算処理も2度経験しました。マレーシアの地で外国人資本である企業を経営する身として納税は大事な役割です。外国人がこの国で就労する=自国民の仕事を奪うということも現実としてあり得ます。

このような観点は海外で外国人として働く上では常に意識として持っておくべき事。このような背景をベースに納税には積極的に貢献するべきと考えますが、バランスも大事なのも事実。

日本の決算処理と比較すると非常にシンプル且つ自由度が高い印象を受けています。また非課税の配当を上手に活用してキャッシュを残す仕組みを使う経営者もいます。あなたがオーナーであれば節税面も含めて全て自己責任で経営できますが、現地法人の社長と言えど雇用関係がある企業で就労する身であれば日本本社やオーナーの監視もあることでしょう。

残念ながら海外では、そこを勘違いした経営者による使い込みなどが発覚して解雇になったという話は聞きますので皆さんご注意を。

まとめ

今回の記事では、マレーシアに関する法人の税金に関して説明しました。

もし、あなたが会社設立を検討している経営者や担当者であれば是非お声かけください。ローカルによるローカル運営でサービスとコストの最適化をご案内します。弊社の立ち上げから会社運営をサポートしているローカル企業をご紹介可能です。

会社設立に関しては、日系・ローカル問わず複数社問い合わせすることをおすすめしますし、弊社はセカンドオピニオンで結構ですので是非ご相談ください。最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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