コラム記事
11.12023
現地の小売店で購入できるマレーシアで人気のお菓子5選を紹介
多民族国家マレーシア。マレー系を中心に中華系、インド系、さらには少数民族など多くの民族が共存し、その多様性が食文化にも大きく影響しています。
今回は、そんなマレーシアで特に人気のお菓子5選をご紹介します。食事と同様にお菓子にもマレーシアの独自性や民族、宗教などに基づく特徴が反映されていますので、実際に味わってみることでマレーシア人の味の好みやその背後にある文化的な要素に触れる機会になるかもしれません。
また、お土産にもぴったりなお菓子もたくさんありますのでぜひ参考にしてみてください。
目次
マレーシアで人気のお菓子5選
先述の通りマレーシアは多様な民族が共存する国。その多様性が豊かな食文化を作りあげているため、お菓子の種類も多彩です。
正直5つに絞ることはかなり難しいほど種類が豊富ですが、そのなかでも特に人気のある5つのお菓子をご紹介します。いずれもスーパーマーケットで手頃な価格で手に入れられるものばかりなので、ぜひ市場調査も兼ねて試してみてください。
Chips More!(チップス・モア)
モンデリーズ・マレーシア(Mondelez Malaysia Sales Sdn Bhd)販売のチョコチップクッキー「Chips More!(チップス・モア)」。マレーシアのスーパーマーケットやコンビニに行けば必ず目にする商品で、シンプルでありながらもリッチな味わいがマレーシア国民に愛されているクッキーです。
オリジナルのチョコチップクッキーの他に、ダブルチョコやヘーゼルナッツなど多彩なフレーバーがあり、青、ピンク、緑などのパッケージカラーで分けられています。容量も小さいパックから個包装のものが大袋に詰まったバリューパックまでそろっているため、さまざまなシーンで使いやすいことも特徴。
リーズナブルな価格で購入できるのも人気の理由。サイズによって異なりますが、小さなパックは約RM2(約60円)から販売しているので、手軽に楽しむことができます。
Super Ring(スーパー・リング)
オリエンタル・フード(Oriental Food Industries Sdn Bhd)販売のお菓子「Super ring(スーパー・リング)」。リング状のチーズ味のスナックで、日本人にはおなじみの某おじさんマークのスナック菓子にとても似ています。
軽やかな口当たりと本物のチーズを使用した濃厚な味わいが特徴で、まさに「スナック菓子」のイメージにぴったりのお菓子。
マレーシアで人気急上昇中の韓国系コンビニエンスストア「CU」とのコラボにより、チーズハットクをモチーフにしたチーズコーン味も販売するなどコラボ企画も人気。価格も手頃で、1袋約RM2(約60円)から購入できる手軽さも人気の秘訣です。
MAMEE MONSTER(マミー・モンスター)
マレーシアの大手食品メーカー、マミー(MAMEE-DOUBLE DECKER (M) Sdn Bhd)が販売する「MAMEE MONSTER(マミー・モンスター)」。青いモンスターのキャラクターが目印のヌードル菓子で、マレーシアのインターナショナルスクールでも子どもたちに人気のあるお菓子の一つです。
MAMEE MONSTERは日本で有名な駄菓子のラーメンスナックとは少し異なり、袋に丸ごと入ったヌードル(乾麺)に付属のシーズニングを加え、袋ごと割りながら混ぜて食べるのが主流。もちろん大きなヌードルをそのままかじって楽しむのもOKですし、自分の好みに粉砕したりとその楽しみ方も人気の理由です。
フレーバーもバーベキュー、チキン、スパイシー、ブラックペッパーとバラエティに富み、そのザクザクとした食感は大人から子どもまでをとりこにしている人気商品。
10袋入りで約RM3(約98円)と手頃な価格で購入できるうえに個包装になっているため、お土産としても最適です。
LEXUS(レクサス)
Munchy’s(マンチーズ)(Munchy Food Industries Sdn Bhd)販売の「LEXUS(レクサス)」は、サクサクしたクラッカーに甘いクリームがサンドされたお菓子。少し高級感を感じさせるパッケージでスーパーでも目立ちます。
クラッカーの塩味、そしてサンドされたクリームの甘さが絶妙な組み合わせでクセになります。中身のクリームは、チョコレート、ピーナッツバター、チーズ、レモンなどバリエーションも豊富。時折、期間限定のフレーバークリームも販売されています。また、カルシウムと野菜も含まれているとのことで健康への配慮も感じられます。
比較的大きなサイズでの販売が主流ですが、どれも個包装となっていることで様々なシーンでも食べやすいことも人気の理由です。
Popo Muruku Ikan(ポポ・ムルク・イカン)
Thien Cheong(ティエン・チョン)(Thien Cheong Sdn Bhd)販売のスナック菓子「Popo Muruku Ikan(ポポ・ムルク・イカン)」。赤ちゃんのマークが印象的なパッケージでも知られています。
Muruku(ムルク)はインドで親しまれている歯ごたえのあるお菓子のこと。Ikan(イカン)はマレー語で魚を意味しており、このお菓子はマレーシアならではのマレー系×インド系の食文化の融合とも言えるでしょう。ちなみにマレーシアではこのお菓子自体をムルクと総称で呼ぶ人が多いほど、マレーシア国民達から親しまれています。
エンドウ豆を使用し、ハーブとスパイスでシンプルに味付けされた親指サイズの食べやすい形状。オリジナルはやさしい塩味が特徴で、ほかにも海苔、スイートチリ、スパイシーチキンなどのフレーバーがありますが、やはり圧倒的人気はオリジナル味です。ヘルシーで素朴な味わいがマレーシアの人々を魅了している。大人から子供まで広く愛されているお菓子です。
大前提はハラールかどうか
マレーシアで人気のお菓子。味など嗜好の傾向をつかんだ商品であることはもちろんですが、それとは一線を画した特徴として「ハラールであることが大前提」が重要なポイントです。
イスラム教徒が約65%を占めているマレーシアでは、ハラール(イスラムの戒律に則った基準を満たしているもの)とノンハラール(基準を満たしていないもの)の区別は、食事をはじめとする日常生活でとても重要視されます。
食品をはじめとする製品には多くの成分が含まれていることから、個人がハラールであるかどうかを判断することが難しい状況が多々あります。そのような事情から、ハラール認証機関によってハラールの基準を満たしているかについて検査が行われ、ハラール性を保証する制度がハラール認証です。基準を満たしていると判断された製品にはハラール認証マークが付与される仕組みとなっています。
基準を満たしているかどうかは、イスラム教で禁忌とされている豚やアルコールなどの成分が含まれていないこと以外にも、製造の環境や過程なども含めて総合的に判断されます。
そして、ハラール認証マークが付いている食品はイスラム教徒の消費者にとって安全な食品であることを意味するため、非常に大事な指標です。
このことから、マレーシアで販売されているお菓子は基準を満たして製造されたハラールのものが主流です。上記で紹介した5つのお菓子にも、すべてパッケージにハラール認証マークが印字されています。お店などで見かけた際は、ぜひハラール認証マークを確認してみてください。
宗教や民族の影響を受ける味の好み
マレーシア人の味の好みにも、宗教や文化的な要素が大きく影響しています。たとえば国民の多くを占めるイスラム教徒はお酒を飲まない食習慣のため代わりに甘いものを楽しむ人が多く、甘味が豊かなお菓子や飲み物などが好まれます。
イスラム教徒ではない中華系、インド系などもそれぞれに味の好みの傾向はありますが、ルーツの異なる民族が共通して好む味覚として「サンバル」が挙げられます。サンバルは、マレーシアを代表する調味料ともいえる辛味調味料で、唐辛子、玉ねぎ、にんにくなどをメインに、トマトやシーフードなどを加えてペースト状にしたものです。
マレーシアの国民食であるナシルマをはじめ、中華系やインド系の料理にも広く使用されているサンバル。そのスパイシーな味わいはマレーシア国民にとって共通してなじみのある味のため、お菓子にもスパイシーな味のバリエーションが多く人気があるのです。
インターナショナルスクールでの取り組み
先述の通り、マレーシアにおけるマス市場をターゲットとしたスナック菓子は全てハラール認証を取得しています。そのため、マレーシアで買ったお菓子であれば基本的には誰に配っても宗教上の問題が生じることはないと言えます。では、そのほかに何か気をつけるべきことはあるのか?という点で着目をしてみましょう。
マレーシアのインターナショナルスクールでは、アレルギー対策の一環としてナッツフリーの方針が徹底されています。学校給食や食堂はもちろんのこと、持ち込みも固く禁止されています。アレルギー起因による症状は人によっては生死に影響を及ぼす深刻な事態を招くこともあります。ナッツ類はその起因の一つとして挙げられ、アレルギー症状発症を回避するためにこのような取り決めとなっています。
「ハラールマークが付いているだから大丈夫」だけではなく、ぜひ原材料のチェックにも注意ください。
まとめ
今回の記事ではマレーシアで人気のお菓子5選をご紹介し、その背景にある宗教および文化的要素についても解説しました。
多様性が食文化に大きな影響を与え多彩な味を楽しむことができるマレーシアですが、同時にイスラム教徒の比率が高い国で、多くの国民にとって食品を選ぶ際にはハラールであることが大前提となっている点もお分かりいただけたでしょう。
手に取りやすい身近なお菓子を通じて、マレーシアの食文化や多様性にもぜひ触れてみてください。最後までお読みいただきありがとうございました。